御手洗潔が日本を去って一年半、横浜馬車道に住む御手洗の友人で推理作家の石岡のもとに、二宮佳世という若い女性が訪れ、「悪霊祓いに岡山県の山奥に一緒に行ってほしい」と言う。

石岡は岡山の村での大量連続殺人事件をノルウェーにいる御手洗に書き送り指示を仰いだが、彼からは「リユウコワセ」という意味不明の電報が来ただけだった。

都会暮らしからレイドバックして、大阪西北端の山林に暮らす竜門卓。彼の生業は行方不明になった猟犬を探すことだった。

新宿で殺された外国人娼婦の部屋に落ちていた商社マンの名刺。

謎の売れっ子覆面作家の正体は。男、女、年齢は。

ミス羽衣に選ばれた美女が天女の姿で謎の溺死。真相を探る西本刑事に殺人犯の魔の手が迫る。

僕の体には殺人鬼の血が流れている！？不審な交通事故死をとげた父。

五十二歳という働き盛りの造園設計家・恵門を突然襲った記憶の空白。

「妹の面倒を見てやって」その言葉を残し妻は死んだ。残されたポールは、妻の最後の頼みに応えようとする。

いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた「俺」は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。

若い女性の変死体が発見され、捜査に奔走する赤かぶ検事や行天燎子警部補。

「王家の谷」へと向かった考古学研究室の一行を待ち受けていたのは、閉ざされた王墓の中での惨劇だった。

凶悪な宝石強盗団が鎌倉駅前の宝石店を襲った。一味の手口は店主夫妻を射殺し、右耳を切り落とす残虐極まりないもの。

深夜のコンビニで悲喜劇の幕があいて…。街の片隅の小さな大事件。

・病院坂・と呼ぶほど隆盛を極めた大病院は、昔薄幸の女が縊死した屋敷跡にあった。

失踪した息子・小松原淳の伝記を書いて欲しい、との依頼を受けたゴーストライターの島崎。

初夏の東京・府中。ある廃ビルの一室で男が殺された。

『猫』の最後で死んだはずが、目覚めたらなぜか上海にいた「吾輩」。

絶海に行方定めぬ小船が一艘、瀕死の有明男爵と忠臣久留須左門、そして親友と謀り内心で男爵を憎む大曾根五郎が飢渇に喘いでいた。

美人妊婦モデルの殺人。マタニティ雑誌編集部に届く不審な投書「私の夫は吸血鬼」。

199X年度「ノーベル賞」には微かな腐臭がした―イギリス医学界の重鎮が受賞した「医学・生理学賞」の周辺に不自然な死が多すぎるのだ。

江戸始まって以来の大奇人にして博識無双の平賀源内先生。

生き過ぎた――この言葉を残して日本洋画界の大御所は自殺した。

福祉事務所の万年係長・重松は、アル中のために周囲から疎んじられていた。

製薬会社の社長令嬢・橋田久子は出雲伝説に興味を持ち、白血病と闘いながら綿密な研究を重ね、『もう一つの邪馬台国』という著作を手がけていた。

信州諏訪大社・御柱祭のハイライト、勇壮な木落としで、巨大な御柱が暴走した夜、東京都大田区の諏訪神社の境内で男の変死体が。

うつろな心を持てあますバークのもとに、昔のムショ仲間ヴァージルの妻が訪ねてきた。

新人作家の登竜門といわれる文学賞を受賞し、一躍、人気作家の仲間入りをした小高省吾には、人には言えない秘密があった。

ミサイル・フリゲート艦「ターナー・ヴァン・ザンド」の副長、ダニエル・レンソンは複雑な思いだった。

艦長のベンジャミン・シェーカーは艦橋にたたずんでいた。

1961年のロサンゼルス。

主人公の田村菊太郎は京の公事宿「鯉屋」の居候。

クイン・クリアリーは医師になりたかった。

ブルックリンのユダヤ人コミュニティに秘蔵されてきた一つの財宝が紛失した。

右足にダンスシューズ、左足はブーツという奇妙な死体が発見された。15年前にも同様の事件があり、犯人は捕まっていない。

少年少女がつぎつぎに自殺する。しかし、その動機が判明しなかった。

女子大生の倉本千明がふとしたきっかけで始めた秘密のアルバイトは、「壊し屋」と呼ばれていた。

普段から死人のように青ざれた顔をした、その歴史ある街は、その日、死装束のような濃い霧に包まれていた―表題作の「閉じ箱」をはじめ、プロ作家としてデビュー後、初の短編である「陥穽」、不思議な少年の世界を描いた「けむりは血の色」、代表作の「恐怖」、その他、「実験

安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅惑的な甘い汁に、蟻のように吸いよせられる人間の群れ。

血で爛（ただ）れた顔、その上を縦横に走る不可解な亀裂。凄絶怪異「怪物」が虚栄の都・ハリウッドに出没。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

名古屋のホテルと深大寺公園での医師連続殺人事件…薬品の闇取引きや診療拒否、荒廃した医療現場を衝く長篇推理。

1度限りの大トリック！ たった1度の大トリック！劇中の殺人は真実か？ 俳優志願の男女7人、殺人劇の恐怖の結末。

杉並の閑静な住宅街で、帰宅途次の銀行員が撲殺された。

大作絵画の制作依頼を受けて赴いた真鶴の教団本部で、奇しくもあの謎の男と邂逅、男の眼許に義兄の面影を見た山辺修二は、義兄の出生の秘密を探り始める。

夏期合宿のため双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」の一行。

誤って恋人の脚本家を射殺してしまった妹をかばうため、凶器の拳銃を捨てようと山梨方面に車を走らせていたフリーライター、世良祐介。

吉原近くの堀端で若い女の全裸死体が見つかった。首を切り落とされた上に、背中の皮が剥がされている。

一冊の本を抱えて旅へ出た記憶喪失の女性の死は、妹の事故死と関係があるのか。調査に乗り出した青年の名は浅見光彦。

尺八、黒衣、天蓋―青梅山中で殺された会社役員・羽田は、なぜか虚無僧姿だった。

失踪した少女を追い、探偵は狂気の庭に足を踏み入れる。

巨大都市は知っている--海が奇蹟を胎んだことを。

きみが先祖から受け継いできたものの正体が知りたい―都内の小さなPR会社を経営する俵谷慎介のもとに、郷土史家を名乗る老人がふいに現れた。

ホームズと警視庁の片山刑事の妹・晴美は、バスに乗っていた。見知らぬ少女が「おいで。

ある日突然、体が小さくなった妻。謎に満ちた夫さがしの旅。

美人ホステスをレイプするつもりで誘い出し、崖から突き落として殺害したという容疑で二人の若者が起訴された。

新橋の路地裏で男性の刺殺体が発見された。所持していた免許証の本籍地には「月影」の文字。

北海道の東に位置する神秘の湖『チミケップ湖』に幽霊が出る。その噂を追って湖畔にキャンプを張った中垣内和少年一行の六人。

雪の夜、チンピラ二人組にボーナス袋を強奪され、北岡吾郎の平凡なサラリーマン人生は終わりを告げた。

妻を持つアダムの子を身ごもった時からジェニファーの運命は再び狂い始めた。

社長夫人殺しの嫌疑をかけられた社長の愛人。彼女を助けることができるのは顔も名前もわからない“幽霊社員”だった。

百五十センチそこそこの小柄な体躯で、鼻が低くてふっくらとした頬、理知的というよりむしろ滑稽なお多福顔…シャープなイメージからはほど遠い四十二歳の女検事霞夕子が現代社会の病弊と人間の不可解さが生み出した殺人事件の犯人を、ソフトにしかし鋭く追いつめる連作推理三

百五十センチそこそこの小柄な体躯で、鼻が低くてふっくらとした頬、理知的というよりむしろ滑稽なお多福顔…シャープなイメージからはほど遠い四十二歳の女検事霞夕子が現代社会の病弊と人間の不可解さが生み出した殺人事件の犯人を、ソフトにしかし鋭く追いつめる連作推理三

東京生まれの東京育ち。箱根から西へは行ったことがないという坂田勇吉は、食品会社に勤める若手サラリーマンだ。

あの八犬士活躍の時代から百五十年。

超ベストセラー作家・牛田竜介は本当に実在するのか。

浜名湖畔の料亭「花ずみ」。名女将とうたわれた姑が逝って一年がたった。

尾田和成は二十年以上の刑事生活にピリオドを打ち、“K探偵社”に再就職することになった。

銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。

三谷葉子は確固たる殺意を秘めて小杉の自宅に向かった。山中でレイプされて以来、葉子はカネと体を小杉に貧られ続けてきたのだ。

伊賀上野に遺る忍者屋敷のどんでん返しから絞殺体が現われた。誘拐された令嬢女優・湯川由美の変わり果てた姿であった。

雪のコペンハーゲン。イヌイットの血をひき、雪と氷と孤独を愛する女性、スミラ。

単純な水死と思われた事故になぜスコットランド・ヤードの警視がかり出されたのか。

元警視庁の辣腕刑事・室生一喜が営む貧乏探偵事務所に、勝山華子という老婦人がやってきた。

弁護士から浮気調査を請け負って日銭を稼いでいるジャック・フリッポは、かつてはやり手の検事補として誰からも一目置かれる存在だった。

嵐の朝、「おくひだ1号」の運転士は、あるべき場所に駅がなく、線路まで消えていることに驚く。

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った。この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。

連日の異常気象、多発する少女誘拐未遂事件…と、不穏な空気が漂う東京都世田谷区。

元警官のラリー、敏腕セールスマンのハンク、パイロットのエディー、貴金属ディーラーのドンの四人は親友だった。

呼吸するように本を読む主人公の「私」を取り巻く女性たち―ふたりの友人、姉―を核に、ふと顔を覗かせた不可思議な事どもの内面にたゆたう論理性をすくいとって見せてくれる錦繍の三編。

戦争前夜の浅草六区。

密室トリック、首なし死体、消えた凶器…快刀乱麻の名探偵・天下一が挑む難事件。

京都府警本部に事件の予告電話。現場は縁結びで有名な知恩院の濡れ髪明神境内―画商の殺害死体。

日美子は鎌倉・二階堂の豪邸に住む旧友、小栗田沙織から突然の電話を受けた。妹の愛が何者かに縛られ、滅多刺しにされたという。

新婚旅行の思い出をたどるため―銀婚式を迎えた野々村省三・文恵夫妻は、二十五年前と同じく、能登へと旅立った。

美奈子は、温泉でのんびりお肌ツヤツヤにしようと、知人の不動産会社の保養所へ。ところが、社長の遺体が露天風呂で発見された。

1936年7月に始まったスペインの内戦で、外人部隊に身を投じた日本人義勇兵・ギジェルモこと佐藤太郎。

八丈島南方洋上で捕獲されたヨシキリザメの胃から、人間の左手が発見された。検死の結果、暴力団員横堀好男のものと判明。

大阪の富豪に殺人予告が届いた。差出人は蠅男。

瀬戸内に浮かぶ流島で発見された凄惨な首なし死体。首から上には奇怪なマネキンの頭が…。

都内の大邸宅の離れを借りて住みはじめた二人のOL・祥子と美加。しかし美加は不慮の事故で帰らぬ人に。

薄幸の難民少女に迫る暴力団の凶手と、警察の包囲網。こんどこそ退かない。

妻を持つアダムの子を身ごもった時からジェニファーの運命は再び狂い始めた。

肉体を持った悪霊ラシャーと共に姿を消したローアン・メイフェア。

二歳の誠介が熱湯を浴びて重傷を負い、異父兄の工藤康男が逮捕された。

仁科優子は娘の高校受験の便宜を図ってもらうために志望校の学務部長と性的関係をもつが、性病を移されたために夫に不倫がばれ、相手は娘の家庭教師の南佐一郎だと嘘をついてしまう。

フットボールのオーナーが早朝のジョギング中、トラックに轢き逃げされた。

ミステリーの王道ともいえる本格物をトリック別に分類したアンソロジーの第三弾は、殺人になくてはならない“凶器”のトリック集。

鬱蒼たる森と清流。ここはロッキー山脈をあおぎみるモンタナの原野。